一眼で「なんか良い写真にならない」を抜け出す、
いちばん最初の2時間。
高浜 拓也(NIHOスタッフ / @takuyatakahama)
写真って何を撮るもの?
ここがいちばん大事
15分
何を入れて、何を入れないか
+定番の型
20分
F値・SS・ISO
マニュアルで撮る手順
25分
室内・屋外で撮る
レタッチ実演
50分
わからないところは、いつでも途中で止めてください ☀
テクニックの前に、これだけは。
目の前の景色をそのまま記録する装置じゃない。
「わ、いいな」と心が動いた、その一瞬を、
あとから誰かに手渡せる形にする道具です。
だから最初の問いは「どう撮るか」じゃなく
「私は今、何に感動した?」
“ You don't take a photograph,
you make it. ”
写真は「撮る」ものではなく「作る」もの
— アンセル・アダムス(写真家)
シャッターを押した時点で写真は完成しない。
何を見て、何を選び、どう仕上げるかまで含めて写真。
光がきれい。子どもの表情。この空気感。
まず心が動く
「逆光の透け感」「この手の小ささ」
主役を1つに絞る
構図もF値も、全部②のための手段
技術は後からついてくる
「なんか良い写真にならない」の正体は、たいてい②が決まっていないこと。



特別な場所に行かなくていい。「あ」と思ったらカメラを構える — その回数がそのまま上達です。
写真は「足し算」じゃなく 引き算。
うまくいかない写真の原因、9割はこれ。
画面のなかで 主役だけが目立っている 状態を作る。
= 見た人の目が、迷わず主役に着地する。


「もう1歩前へ」。
初心者の写真は、たいてい引きすぎ。
迷ったら近づく/望遠で寄る。
映したくない物はどかす。
どかせないなら自分が動く。
1歩横、しゃがむ、背伸びする。
消せないものはボカして情報量を落とす。
主役だけがシャキッとしていれば勝ち。
構図に悩んだら、まず この3つを順番に試す だけでかなり変わります。
F値を開けるだけがボケじゃありません。
効くのは大きく分けて4つ。
裏ワザ:前ボケ
レンズのすぐ手前に葉っぱ・花・小物を入れると、
画面に奥行きと「その場にいる感」が一気に出ます。NIHOの室内写真でよく使う手です。



同じ部屋でも、手前に一枚レイヤーを挟むだけで写真が急に立体的になります。
型はお守り。ゼロから考えるのは大変なので、迷ったらどれかに当てはめる。慣れたら崩してOK。

画面を縦横3分割し、その線や交点に主役を置く。
カメラの設定でグリッド線を表示できます。
今日いちばんおすすめの設定変更です。
「日の丸はNG」とよく言われますが、
主役が明確で、背景が整理されていれば最強です。
ダメなのは「なんとなく真ん中」。
意図して真ん中なら、いちばん強い構図。


道・線路・手すり・塀・電線…画面の中の「線」は、見る人の目を勝手に動かします。


額縁= 窓・戸口・木の枝で主役を囲む。 反復= 同じ形・色のリズムを見つける。


1つの被写体に対して縦でも横でも撮っておくと、後から選べます。
F値・シャッタースピード・ISO。
ここを握ると、一気に自分の写真になる。
オートは「カメラが決めた無難な正解」。
でも、あなたが感動したポイントはカメラには分からない。
3つの数字を自分で決められると、
写真が「思ったとおり」になる。これがいちばん楽しい。
※ 最初は絞り優先(A / Av)+ 露出補正でもOK。今日はMで一度やってみましょう。
センサーに ちょうどいい量の光 を届ける。
その蛇口が3つある、というだけの話です。
数字が小さい=大きく開く= 明るい・よくボケる
数字が大きい=絞る= 暗い・広くピントが合う
F1.4〜F2.8 あたり。背景が溶けて、
ふつうのスマホ写真と一番差が出るところです。
ただし開けすぎ注意:
→ 人が複数いるなら F4 前後、集合写真は F5.6〜8。


F値は「良し悪し」じゃなく目的の宣言。「主役を作る」のか「全部見せる」のか。
1/(焦点距離)秒より速く。
50mmなら 1/50 以上、望遠ほど速く。
手ブレ補正があれば少し粘れます。
止まってる人 … 1/60〜
動く人・子ども … 1/250〜
走る・スポーツ … 1/1000〜
滝・川・光跡は 1/15 以下+三脚。
「ブレ」も表現になります。
センサーが光を感じる強さ。
上げれば暗い場所でも撮れる。でもノイズが乗る。
大事な感覚:
ブレた写真は救えないが、ノイズは後から減らせる。
迷ったらISOを上げてでもSSを稼ぐ。


F値 → SS → ISO の順。
「作品の意図」が決まる順番に並んでいます。最後の明るさ合わせがISOと露出補正。
f/2.0
1/125
ISO オート上限3200
窓際に立ってもらうのが最強。
照明より窓の光。
f/5.6
1/125
ISO 1600〜3200
全員にピントを。
横一列に並んでもらう。
f/4.0
1/500
ISO 200
すぐ撮れる構え。
子ども・動きものにも対応。
f/8.0
1/500
ISO 100
手前から奥までシャキッと。
由比ヶ浜はこれ。
まずここから始めて、1枚撮る → 背面モニターで確認 → 1段ずらす。これを繰り返すのが上達の近道。
画角を変えられて万能。旅行や記録に最適。
ただしF値が暗く、大きくはボケにくい。
→ まずはこれで「寄る/引く」の感覚を掴む。
ズームできない代わりに圧倒的に明るい。
よくボケて、暗所に強い。しかも安い(2〜4万円台)。
→ 次に買う1本はこれ一択。
遠くを撮るためだけじゃなく、背景を圧縮して整理できる。
運動会・発表会・ポートレートに。
→ 必要になってからでOK。
「ズームできない」は不便じゃなく、自分が動く=構図を考えるようになる訓練です。



広角ほど「その場にいる感」、望遠ほど「主役に集中」。どっちを伝えたいかで選ぶ。
「盛る」んじゃない。
感動したときに見えていた景色に、戻す作業。
目で見たときは、明るい窓も暗い部屋も両方見えていた。
でも写真にすると、窓は真っ白、部屋は真っ黒。
レタッチは、その差を埋めて
「自分が感動した瞬間の見え方」に近づける作業です。
JPEG=カメラが仕上げて情報を捨てた後の画像。
RAW=センサーが受けた情報を全部持ったままのデータ。
白飛び・黒つぶれ・色かぶりの復元力が段違いです。
(ソフト:Lightroom / Adobe Camera Raw / 無料なら Darktable・メーカー純正)


横軸=元の明るさ/縦軸=仕上がりの明るさ。
「この明るさの部分を、どれくらいの明るさにするか」を描いた地図です。
まず覚えるのは2つだけ
①S字カーブ… 暗部を下げ明部を上げる。写真がパキッと締まる。
②フィルム風(かすみ)… 左下の端を少し持ち上げる。黒が浮いてエモくなる。
迷子になったら 「私は何に感動したんだっけ?」 に戻る。
それが強調されていれば正解、埋もれていれば直す。
最初は気持ちいいけど、翌日見ると毒々しい。
「少し足りない」くらいが上品。
暗部を持ち上げすぎると、平坦でモヤっとした絵に。
暗いところは暗くていい。
輪郭が不自然に光る。
等倍で確認して控えめに。
コツ:調整したら一度画面から離れる。 目がリセットされてから見ると、やりすぎに気づけます。
聞くだけだと、絶対に身につかないので。
戻ってきたら、みんなの写真をその場でレタッチ実演します。
「これどうやって撮ったの?」を言い合うのがいちばん勉強になります。
1
光?表情?色?形?
言葉にできたら、もう半分成功。
2
どかす・回り込む・寄る・ボカす。
引き算してから押す。
3
主役を立てる → 開ける
全部見せる → 絞る
技術は、この3つを実現するための道具にすぎません。
まず「あ」と思うこと。カメラはそれを残すための相棒です。
今日撮った写真、ぜひシェアしてください。
質問はいつでも @takuyatakahama まで。
NIHO Kamakura / 2026.8.16